第5回ARGカフェ&フェスト・続

 ぼやぼやしてたら8月が終わってしまった。夏休みの宿題を駆け込みでやる小学生の心境で、メモの残りを書く。→以下は自分の感想。

  • 松下光範さん
    • 自己紹介。これまでの勤め先、今の勤め先、研究業績、等々。「5分で分かる松下さん」。
    • 同じように、自分の知りたいテーマについて5分で分かる仕組みがあったらいいと思わない?
    • 言い換えると情報を求める人の興味に基づく、時系列の情報提供。そういうのを作っている。
  • 小澤かおるさん
    • セクシュアル・マイノリティの情報ニーズ。自分の性的傾向について情報が欲しくても、なかなか正しい情報が得られない現状がある。
    • 公共・大学図書館は情報源として当てにされる。学校図書館は期待されていない。なぜなら誰が何を読んでいるかが他の子どもに知られやすく、奇異な目で見られることを恐れるため。
    • 上記のような環境で、当事者のみに情報を届けるのは難しい。全員に与えることが大切。

→厄介な問題。確かに学校図書館で読書のプライバシーを保つことは難しそうだ。お子様だった頃の自分達のバカさ加減を思い起こせば、すぐ分かる。マイノリティに限らず性に関する本自体が、好奇心とタブー視の入り交じった変な注目を浴びていたものだ。

  • 高久雅生さん
    • Web利用者の情報探索行動を分析する、CRESプロジェクトについて。
    • プロジェクト推進力の秘訣は情報共有。
    • タイミング、ツール、スタイル、人、の4つが成功要因。
  • 光森奈美子さん
    • 若い図書館員の部活「Lifo」について。
    • 方々の図書館を見学して見学記を公開したり、話題を持ち寄って話し合ったり。
    • 特に専門図書館のメンバー募集中。期待すること、しないことなど、意見が聞きたい。
    • 目的があるというより、人と人のつながり自体が目的。

→「つながり自体が目的」という姿勢はとても素敵だ。

  • 前嶋淳子さん
    • Google Book Search(長いので、以下GBS)について。
    • GBSの和解は、過去に出た本に関するもの。これから出てくる本に対して、Googleがどうコミットしていくか=出版業界に乗り出すか。
    • Googleとしては、スキャンが終わってしまえば図書館は不要。今度はそれをサービスとして売る立場になる。
    • その場合、サービスは電子ジャーナルと同じモデル(アクセス権のみ、パッケージ販売、段階的価格設定等)か?

Googleが出版に乗り出すってどんな世界になるのかな?紙媒体というくくりを外せば、コンテンツの頒布では最強なことは間違いない。

  • 黒岩雅彦さん
    • 企業内「町工場」での情報伝承。
    • 40年ものの旋盤がある。農機やエンジンなど、急ぎや試作の部品を作っている。
    • 課題:作業を「見える化」しすぎて、かえって混乱している。またライティングスキルも不足。
    • 見える化」のメリットを各自が理解し、かつその方法が簡単でなければ、みんなやってくれない。

→「見える化」され過ぎた工場の写真(紙がやたらと張ってある)、笑えた。課題もポイントも、色々な職場に共通するものがある。

  • 質疑等、その他の人の発言
    • 岡本さん。図書館の人と情報系の人、もっと話しようよ。
    • 学会や研究会の情報発信サイト管理。個人でボランティアでやっていると、その人が偉くなった時にはただでやってくれなくなる。やる気のある人がいなくなると尽きる。

 あとはARGフェスタへ。楽しく喋り、飲み、喰らい、騒ぎ、元気になって帰る。

 「元気になる」ってとこが、この集まりのポイントだと思う。
 これといってテーマがある訳でもないのに、知的な人々の集まる場に大きな顔して混ざっていいんだろうか、と参加前はいつも躊躇する。しかし参加してみると話は刺激的、雰囲気はフランク。気がつくと楽しさのあまり引け目を忘れている。単なる知的な場だったらめげて帰るかも知れないところ、それに留まらないエネルギーがある。

 にしても一週間以上も経ってからレポートまとめると、感動が薄れていかん。やはり情報は鮮度が命。