最近読んだ本。

 だらだらと。

限界集落ーMarginal Village

限界集落ーMarginal Village

 高齢化の進む各地の集落を訪れ、写真を撮った本。
 廃校になった校舎、元猟師のお宅の床に敷かれた熊の毛皮、痛々しいほど腰の曲がった体で野良仕事をするお年寄り。虚ろとも穏やかとも疲れ切ったとも、なんとも言えない表情でカメラを見つめるおばあさん。インタビューの文章より、写真が何倍ものことを静かに語る。
 災害続きだった今年の夏。この村で災害が起きたら、このおばあさんはどうなるだろう。そんなことを考えさせられる。

ブックオフと出版業界 ブックオフ・ビジネスの実像

ブックオフと出版業界 ブックオフ・ビジネスの実像

 ブックオフ批判。ブックオフには使命感がない、実は革新性もない、ごまかしの部分も多い、と、ビジネスとして不適切な点を斬りまくる。
 昔ながらの古本屋を含む書店から、ブックオフ新古書店)への移行。それは対象が「読者」から「消費者」へ変化したことと並行する。読者にとっての読書はご飯のように大事にすべきもの。一方、消費者にとっては「エサ」として大量消費するもの。出版業界は「消費者」にコミットすることで大きくなりすぎた。これからは「読者」だけを相手にするダウンサイジングが必要になる…という主張。
 非常に納得する点もある一方で、じゃあ消費者を読者に変えていく方策は?と思う。通の客しか相手にしないよと言っているだけでは、ダウンサイジングではなくて沈下する一方にならないだろうか。

フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)

フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)

 インターネットは「何でも答えてしまう奥さん」だ、というたとえが面白かった。医者が旦那に質問すると、隣に居る奥さんが「それはこうでしょ、あなた」と代わりに答えてしまう。そういう奥さんのいる人はボケやすい、のだそうだ。
 インターネットは情報を劇的に探しやすくする。人が自分の頭で情報を探し、フォルダ化し、うろ覚えのものを引っ張り出し、言語化する作業を代わりにやってしまう。それが便利なわけだけれど、危険でもある。

オチケン! (ミステリーYA!)

オチケン! (ミステリーYA!)

 こんな大学のサークルねぇよ(笑)。落語好きな若者というのは、それだけでワンダーワールドの住人たるにふさわしい存在であるらしい。チェシャ猫かい!と苦笑しながら突っ込む落語好きの自分。…いや、えーと、つまり屈折した萌えです。