レファレンス雑考。

 レファレンスについて、とある先生にお話を聞く。備忘メモ。→以下は自分の感想。


・レファレンスは遠隔研修に向いている。
 第一に、そもそも質問・回答というコミュニケーションが基盤になっているので、ウェブ上でもやりやすいこと。
 第二に、課題を解決した!利用者の役に立った!という直接的な満足感があってモチベーションが保ちやすいこと。
 第三に、回答が複数あり得るので、参加者ごとに工夫の余地があること。

・これに対して、例えば書誌とか目録の遠隔研修ってやりにくいよね、という話。元々一人でやる作業だし、直接的なモチベーションを得にくいし、基本的にはすべてのカタロガーの記述が統一されたひとつの形に近づいていくのが理想、という世界だから。

→その中であえて、皆でモチベーションを保つ工夫をするとしたら何だろう?


・ウェブやデータベースの使い方は、図書館情報学専攻の学部生よりも、別分野の大学院生の方がずっと慣れている。ただし紙の資料を当たらなければいけない場合、図書館情報学の学生の方が得意。探す技術が上というより、印刷体の資料に対して抵抗があるかどうかという違いの方が大きい。そこが司書の強みかも。

→これは特定の講義で見られた傾向の話。比較される分野によって状況は違うだろう。原資料を見ないことには話が始まらない、というような分野の場合には、そちらの研究者の方が司書よりよっぽど抵抗感がないと思う。では、その場合は何が司書の強みなんだろうなー。


・良いレファレンスサービスとは何か。質問の数が多いことをもって、良いサービスをしていると考えて良いのか。質問が多いのは、実は利用者が自分で必要な情報を探せるような環境が整えられていないからとも考えられる。

→これは、その先生に教えていただいた別の人の意見。
 そういう解釈もあるのかと、どきっとした。確かに、なんでも逆に考えてみることはできる。
「来館者数が多い=いちいち来館しないと情報が探せない」
「貸出し数が多い=図書館内で必要な作業を終えられる環境がなくて、わざわざ持って帰らないといけない」
「リクエスト・相互貸借が多い=必要な資料が揃っていない」
 てな具合に。ま、そこまでひねくれて見ることもないだろうけど。
 単に数字が多いと言って喜んでちゃいかん、その理由まできっちり考えろ。という話だな。自戒。