漂流系3冊
最近読んだ本2冊と、ちょっと前に読んだ本1冊。
- 作者: 吉岡忍
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/06/06
- メディア: 新書
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ドラマティックな出来事だが、至って淡々とした語り口。魚を釣り、イルカやアホウドリが現れ、嵐に遭い、食料がなくなり、水がなくなり…といった出来事がとりとめもなく続く。何が先で何が後だったのか、時系列が曖昧。一方で、水の味や食べ物の味などの感覚はぞっとするほど生々しい。これが漂流している人の実感だったんだろう。
その中で出てくる本人の言葉に、含蓄がある。
「星を見るんです。満天の、ものすごい数の星が、手が届きそうなくらい近くで瞬いている。(略)もう、今にも降ってきそうなくらいです。きれいだなあ。こんなときでも、きれいなものはきれいなんだ。きれいな星をきれいだと思える自分が、何か、よかったな、と思うんです」(p80)
これ、最後の食料となったインスタントスープを食べた時の感想なのだ。人間ってすごい。
チムさいごのこうかい―チムシリーズ〈10〉 (世界傑作絵本シリーズ)
- 作者: エドワードアーディゾーニ,Edward Ardizzone,なかがわちひろ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2001/10
- メディア: 大型本
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絵が可愛らしくて文章が子供向けなのでだまされそうになるが、実は結構ディープな内容かも。主人公をいじめる荒くれ者の船乗りが、難破しそうになった途端絶望して飲んだくれるとか。
- 作者: ナサニエル・フィルブリック,相原真理子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2003/12/05
- メディア: 単行本
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難破の直接的な原因は鯨にぶつかられたこと。しかしそこに至るまでのチーム内の対立や、乗組員同士の差別など、原因の原因まで丁寧に書き出している。プロジェクト失敗の例として読むと、また別な痛痒さで面白い。