古事記出版大賞

 暑くなると更新が途切れるこのブログ。xiao-2のへたれっぷりがよく分かる今日この頃ですが、面白いニュースを見つけたので久しぶりに更新。要はただのメモ。
 奈良県で、観光振興のためのこういう事業の受託募集をしていた。

ならの魅力創造課/ならのにぎわいづくり課ホームページ
「(仮称)古事記出版大賞」表彰業務受託事業者の募集について

 中身はこういう事業らしい。

2012年(平成24年)は古事記編纂1300年の記念年にあたり、多くの古事記本が出版されていることから、優れた書籍や雑誌など出版されたものを、古事記編纂・完成の地である奈良県が「(仮称)古事記出版大賞」として表彰することにより奈良県の存在感を大きくアピールし、また、多くの方々の古事記への関心を醸成する

 記念の年に合わせて出版物の表彰をする(ことで観光アピール)というのは面白い。なんの方針もなくアピールするよりずっと印象に残るし、古事記みたいな超有名古典にゆかりのある奈良ならではのメリットが活用されている。
 が、自分が注目したのは仕様書のこの記述。

11.業務詳細 (2)受賞出版物選考の企画・実施
第一次審査は図書館法(昭和25年法律第118号)第2条に規定する図書館(「日本の図書館 統計と名簿」(日本図書館協会発行)の公共図書館集計(2011年)による図書館数は3,210)に勤務する司書及び司書補に対するアンケート調査により実施する。なお、アンケート調査は、各司書及び司書補が、平成19年9月1日から平成24年8月31日の5年間に刊行された(奥付に準拠)出版物の中から一人三作品を上限に受賞候補出版物を投票することにより行う。

 つまり、審査は全国の司書へのアンケートで決まるらしい。
 これはすごいことだ。漠然と公募するのでもなく、学者でも有名人でもなく、あえて図書館司書というクラスタに絞って事業が計画されている。「図書館」ならではの何かが期待されていると思っていいだろう。自治体本庁の事業がそれを行うというのは、「図書館」にとって大きなチャンスだ。自分も大好きな奈良県立図書情報館の人が、企画に関わっているのかもしれない。
 個人的にちょっと残念なのは対象が図書館法第2条、いわゆる公共図書館におおむね限られていること。大学図書館の人の推薦も聞きたかったけどな。ただまあ、大学は学部によっては古事記本なんて縁のないところもあるだろうし、アンケートの規模を広げるとそれだけ費用が膨らむから、お財布的にどこかでくくらなきゃならなかったのだろう。

 まだ事業受託者の公募段階だけれども、全国の図書館司書が腕によりかけて探した「古事記本」がたくさん出るといいなぁ。期待。