タイホされたらどうする?

 岡崎市の事件をきっかけに、色々と考えるところがあった。生々しいことから抽象的なことまで「いろいろ」浮かんだわけだが、その中でおそらく最も事件の本質からズレてそうな感想をこっそり書いてみる。
 それは「逮捕されるって怖いなぁ」ってことだ。
 なに牧歌的なこと言ってんだと叱られそうだが、しみじみそう思った。自分はとりたてて違法なことをした覚えはないし、一般的な市民と同じ程度にお巡りさんのことは信頼している。差し当たり被疑者になる心配などせずに生きてきた。くだんの事件で逮捕されてしまった人も同じだっただろう。
 だが世の中どんな展開で法に触れることがあるかも知れない。かの事件のように、誤解や間違いはいつ降りかかってくるか分からない。どんなに気をつけていても突然理不尽に犯罪の被害に遭う可能性はゼロではない、それと同じように、被疑者にされてしまう可能性もゼロではない。満員電車で通勤している男性諸氏なら、痴漢の冤罪をかけられないか不安に思ったことが一度くらいあるはず。
 万一そうなったら、どんな目に遭うのだろう。どう振る舞えばいいのだろう。考えてみるとなんにも知らない。これはけっこう怖いことなんじゃないか。


 折しも、先日カレントアウェアネスでこんな記事を見た。

CA1723 - 国内の公共図書館における法情報提供サービス / 日置将之

 図書館で法律情報を提供してくれるのはありがたい。が、逮捕された側という観点からの情報提供も受けられるものだろうか。もちろん情報はあって聞けば教えてくれるだろうけれども、もともとそういうメニューを用意しているということはなさそうだ。まあ法テラスのHP*1でもメニューがないところを見ると、需要が多いとは思えない。第一そういう特集を組んでくれたとしても、そのコーナーの本を手に取るのは抵抗があるだろうな。周りの目が気になるよね。


 でも、知っておいた方がいいことには違いない。ということで、近くの図書館にありそうな本で自分のためのリストを作ってみた。ただし現物は確認していない。
 まず基本っぽい2冊。

「逮捕・起訴」対策ガイド―市民のための刑事手続法入門

「逮捕・起訴」対策ガイド―市民のための刑事手続法入門

ある日突然、警察に呼び出されたら、どうする・どうなる (アスカビジネス)

ある日突然、警察に呼び出されたら、どうする・どうなる (アスカビジネス)

 ちょっと意外な線だが、こんなのもあり。
安心・安全の基礎知識

安心・安全の基礎知識

 こちらは生活の中のもろもろの危険と、それに関する知識を紹介した本らしい。なんでこれが関係あるの?と思ったが、国会図書館OPACこの本の目次情報を見ると、「犯罪」の章のQ&Aに「冤罪」の項目がある*2。なるほど。

 こちらはもう少し専門的か。

犯罪はどのようにして裁かれるか―市民から見る刑事手続

犯罪はどのようにして裁かれるか―市民から見る刑事手続

 法律のことをもっと詳しく知りたければ、キーワード「刑事訴訟法」とかでOPACを検索してみると山ほど出てくる。

 万一の万一、有罪になって刑務所に行くことになったら。罪に心当たりがなければここまでの覚悟は要らないと思う(思いたい)が、一応知識として知っておくという意味で。

 この本の著者は元刑務官で、刑務所の内情に関する本をいくつも書いている。

 こちらは殺人を犯した人の経験談


 そして、冤罪をかけられた人の体験談も色々ある。記憶に新しい事件の、この本をクリッピング

 日常の中に現れる危機への対応手段として、日頃から知識を備えるための場所が図書館。しかも実際に逮捕されたら、それから自分で調べる余裕なんてない。治にいて乱を忘れず、何も起こっていないうちから眺めておいてもいい。ということでリストアップ。

*1:法テラス

*2:ちなみにリサーチナビで「冤罪」で検索してヒットした。