New国際児童文学館に行ってきた。

 閉館直前に訪れて*1、侘しい気持ちになった国際児童文学館。本日こどもの日に合わせてオープン、とのことでさっそく覗いてきた。暇人って言うな。
 以下だらだらと感想。


 大阪府立中央図書館の正面入り口ではなく、ちょっと右に回りこんだところに国際児童文学館の入り口がある。周りの植栽で隠れているため目立たない。でも入り口横にはきちんと「国際児童文学館」の看板*2。入り口のドアを入ると正面に自動販売機、右側奥に小さめの展示ケースがあり本が5〜6点展示されている。「注文の多い料理店」の初版本らしい本や、「鉄腕アトム」等があった*3
 展示ケースを正面に見て、左手に閲覧室への入り口がある。入ってすぐの左手にコイン式ロッカー。かばんを預けて入る。これは、万博公園にあった頃の2階閲覧室と変わらない。

 閲覧室は多目的スペースを改装したそうで、全体は半円形っぽい不思議な形*4をしている。
 入り口は、半円の一方の角にある。半円の弦の部分にカウンター。オープン当日だからだろう、カウンター内には職員さんが4人くらい。反対側、半円の弧の部分に接するように閲覧席やOPAC席が設けてある。こちらの壁は天井付近までガラス張りだ。庭の緑がよく見えて気分が良いが、夏は暑いだろうなと余計なことを考える。閲覧席は全部で20席足らずといったところ。
 カウンターと閲覧席の間の空間に、書架が置いてある。児童文学に関する研究書の棚と、昨年一年分の児童書新刊の棚がある。
 ちなみに書架の本はすべてビニルカバーをかけ、その上から請求記号のラベルが貼ってある。つまりビニルカバーを剥げば、いつでも販売当時の姿に戻れる状態。現物そのまま保存主義はちゃんと維持されている、と思いかけたが、よく考えると外している暇がなかっただけかも。来年以降はどうなるだろう。

 改装直後だからカーペット等は貼りたてである一方、書架の類はおそらくリサイクルらしく使い込まれている。それがなんとなくちぐはぐな印象ではあるが、そのうち馴染んでいい感じになることだろう。
 そうそう。半円形の、入り口側と逆の角の部分がもうひとつの展示コーナーになっていて、展示ケースを二つ置いてある。以前見学した時にも見せていただいた「日本一の画噺」があったり、面白い。ただし、閲覧室の一番奥だから気付かれにくいことは否めない。というわけで、国際児童文学館を見に行く人は部屋の奥まで忘れずチェックだ!


 図書館の雰囲気としては、万博公園にあった頃の閲覧室とよく似た感じだった。ただし、やはり前よりだいぶスペースが狭くなっている。しかも変わった形の部屋だから、余計に配置が大変そうだ。閲覧席やOPAC端末、拡大読書機、カードボックス等、必要なものは残しつつどう配置しようか、と苦労された様子がうかがえる。レファレンスブックの類はだいぶ減った感じがするが、これも多分スペース節約のためだろう。

 子ども室の雰囲気はほとんど残っていない。以前の子ども室にあったものというと、入り口付近に飾られている手塚治賞のトロフィー。また入り口付近の棚の上に、ぬいぐるみのくまのパディントンが直立不動の姿勢をとっている。自分は見覚えはないが、多少時代がついているところからして子ども室の住民だった一人だろう。子ども室を彩っていたもろもろの楽しげなおもちゃは持っていけないけれど、せめてひとつくらい…という職員さんの心意気を勝手に想像した(あくまで想像)。


 オープン当日でどんなにごった返しているかと思ったが、拍子抜けするほど静かであった。利用者は何人か来ていたが、自分の調べ物なり勉強で来ているようで、おとなしく書架を眺めたり閲覧席で資料を広げたりしている。普通の専門図書館である。オープンしたらしいよ、行ってみよう!というミーハーな人はいなさそうだった。自分が行ったのが午後だったからかもしれない。朝に来ればよかったか。
 閲覧室の入り口すぐの所に花かごがひとつ飾られていた。オープン記念だろうか。これだけがひっそり特別っぽさをたたえている。


 書庫内見学ツアーもあったので申込。地下書庫に入らせてもらう。濃青の書架が国際児童文学館の資料だそう。濃青がずらりと並んでいてびっくりするが、逆に70万冊が入ったにしては小さい空間にも思える。見学案内の人の話では、固定書架を集密書架にしたことで収蔵能力を高めたそうな。個々の資料についての説明もいただいたが、前回のとかぶるのでここでは省略。
 ツアーの終わりに、子ども資料室*5も見せていただいた。ここを見るのは初めてではないが、前見た時から多少改修されて、小さい子ども向けの部屋みたいなものができたりしていた。


 というわけで、連休最終日のぼやけた頭でのリポートは以上。ちゃんと知りたい人は以下のリンクとかをみるといいよ。

大阪府立図書館 国際児童文学館
国際児童文学館 オープニング記念資料展示のお知らせ
財団法人大阪国際児童文学館

*1:こちら

*2:なお、大阪府立中央図書館の入り口ホールからも国際児童文学館に行ける館内通路がある。後から気付いた。

*3:展示の詳しい説明はこちら

*4:基本半円形なのだが、半分よりちょっと薄めに削いだ感じの形状。数学的にはなんか名称があるんだろう。面倒なので以下は半円と呼ぶ。

*5:もともと大阪府立中央図書館にある子ども用の部屋