第1回ARGフォーラム「この先にある本のかたち」
ARGフォーラム行ってきた。既にちゃんとしたレポートがあちこち上がってるようだし、正式な記録集も出されるそうなので、自分は自分のために自分の気になったことをメモ。→以下は自分の感想。
- 長尾真氏
- 金成勲氏
- 津田大介氏
- 99年にナップスターを知った時、これは音楽コンテンツのビジネスモデルを変えるぞ!と予感した。出版界も今後同じように展開すると思う。
- 紙の本は作成に要する物理的コストが高く、現在の業界構造ではコンテンツの作り手にとって割に合わない=食えない。食えないので書き手が定着しない。
- コンテンツ作成だけならば、誰もがインターネットを通じて実現できる時代。その中で出版社だけが持つ価値とは何か。コンテンツに関連する情報の提供とか、書き手の育成やサポートとか。あるいは紙に替わる新素材の追求。
- 橋本大也氏
- デジタル化の進展につれて、著者・図書館・出版者の役割の再定義が必要になる。
- 「面白い本」の条件は1:読む動機がある、2:未知のことが書いてある、3:レベルや趣味が合う、の3点。従って面白い本は人ごとに違う。その人にとって面白い本を見つけられる、書評を探せる仕組みが必要。
- 紙の本に比べ、ディジタル情報には著者へのフィードバックの可能性が大きい。紙だと反響を得にくいが、ブログであれば著者と読者のコミュニティが成立し、書き手自身を育てる仕組みがある。
- 図書館や出版は、レベルの高いユーザの意見だけを相手にしてきた。デジタルネイティブの意見をくみ上げる必要あり。
- ディスカッション
- ディジタル情報配信の補償金システムは、日本において権利者および社会のコンセンサスを得られるか。JASRACは一つの解だが、そのモデルには図書館という存在を想定していない。(長尾氏)
→ところでもし利用者に課金することになったら、みんな素直に払うだろうか?公共図書館は本をただで読める場所、と認識している人は、ものがディジタルになったからといって読むために金を払わされることに納得するんだろうか。だから政府がなんとかしてよ、という展開になりそうだが、その場合の税金だって元は自分の金なんだよなぁ。
ああ、濃すぎてまとめきれない。まとめないと読むのに3時間かかる文章になりそうなので、諦める。すごく面白かったのになぁ。間違った解釈してたらごめんなさい>関係者の方および世の方々。
さて客席を眺めると、割と温度が分かれている感じだった。おーっなるほど!という感じで聞き入る人と、ハァ何言ってんの?と腕組みしてしまう人と。けっこう幅広い年齢層の人が来ていたのだけど、ざっくり言えば30代以下くらいの人に前者、50代くらいの人に後者が多い。という印象を受けた。
技術的・専門的過ぎてついていけないような話はあまりなかったので、そういうところがネックではなさそう。むしろ出版業界についての批判が出ていたことが、上記のように反応の差の出た理由だろう。自分は出版のこと知らないので、できれば客席の出版業界人に、「それは違う、なぜなら云々」という反論をしてもらって業界事情を知りたいと思った。
が、結局そういう発言は出ず。ハァ?と思っている人たちは、言わずに帰っちゃった感じだった。そう言えば終わり頃、まだ壇上のシメの挨拶が続いているのに席を立つ人が結構いた。あれがハァ?の表明だったのかも知れない。
だとしたらちょっと寂しい。業界の人の反応、後々どこかで見られるといいなぁ。