またまたへんないきもの

またまたへんないきもの

またまたへんないきもの

 電車内で読んでいて、危うく吹き出しそうになること数回。
 写真でなく、写実的だがモノクロのイラストにしているところが上手い。お陰で「気持ち悪い」と「面白い」の絶妙なバランスが保たれている。これが写真だと、イボイボ・うねうね・ぬるぬる・サワサワの姿形に「気持ち悪い」が勝ってしまうかも。

 サナダムシの話が面白すぎ。一生ヒトの腸の中に寄生して生きるサナダムシは、どうやってパートナーを見つけ、交尾して遺伝子をシャッフルするのか?確かに不思議なのに、考えたこともなかった。そしてその説明に驚愕。

 しかも「できそこないの男たち」や、他の進化生物学の本を読みかけていたところなので、面白さ倍増。どうしてこんな機能ができたんだろう?この姿のメリットは?性別は遺伝子で決まるというけれど、途中でホイホイ性が変わる生き物の場合はどうなんだろう?考え始めると夜も眠れない。

 で楽しく読み終わると、そこはかとなく生き物への愛情と敬意が芽生えている。そういう本だ。「へんな」と言い切り、容赦なく突っ込みを入れまくりながらも、生き物を見る目が温かい。

 ところでこの本、近くの図書館でYAコーナーに置かれていた。YAなんだ、へー。って感じ。いや、読みやすいし面白いし、分かるんだけどね。