お祭りの感想。

とあるイベントに参加してきた。イベント後の飲み会も含め、業界の人やそうでない人と語り合う。旨い酒と睡眠を経て、まだ脳内にサバイバルしていた記憶を順不同にメモ。

  • 図書館員はやっぱり本が好きらしい。

「外出には必ず本を持って行く」という話題が出ると、その場にいた4名の図書館員全員(規模も立場も違う)が激しく同意。
「やるやる、しかも2冊以上」「僕は雑誌と図書と2種類」「ハードカバーでも構わず持っていくから重い」「外出中に読み終えて、読むものがなくなったら?と思うと不安になる」「読む暇なくても、持ってないと不安」という意見が続々と。
さらに「ブックオフでは本を目方で売る」という話に全員が反発していた。その方がビジネスとして合理的だと分かっていても、本が単なるモノとして扱われることに心理的な抵抗を感じる。図書館員とはそういう人種らしい。

  • オンラインでの情報発信が進んでいない学術分野について。

情報発信が進まない理由はいくつも考えられる。学会なり機関なり、その中心となるべきところの中の人が、ウェブの有効性に気付いていないため。また、商業利用に対する抵抗感も強い。しかも必要な知識や技術を持った人材が不足している。
解決の可能性も、いくつかある。一つは世代交代。大量退職によってスキルや知識の断絶が心配されているが、逆にそれによってITに詳しい人材の比率が上がり、情報発信という面からみれば状況が改善されるかも知れない。もう一つは、学生なり研究者なりに対して、必要な知識の教育をすること。

その教育って誰がやるんだろう?と考えてみて、「何言ってんだ図書館員じゃないか」と気付いた。あー、それで情報リテラシー教育という言葉が注目されているのか。今さら納得。

  • 「分かりやすさ」

ウェブで情報発信する研究者で「分かりやすさ」を重視する人は多い。が、その「分かりやすさ」が普通の人の考える「分かりやすさ」と必ずしも一致していない。結果、不正確であっても「分かりやすく面白い」情報の方が世の中に広まってしまう。

  • 図書館にだけ居てはいけない。「書を捨てずに、街へ出よう。」
  • インターネットやコンピュータに関する知識は不可欠。好き嫌いに関係なく、図書館員ならば最低限の知識として身につけてほしい。


特に最後の2点、「すみません」と膝を正したくなった。
本に対する理屈抜きの愛情は、もちろん大切。けれど愛していないからといって、他の情報源を使いこなす努力を放棄したり、まして頭から否定するのはプロとしてやるべきことではない。自戒自戒。